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2021年09月09日 (木)
脱炭素化
解説

中国の「五カ年計画」から見た中国のカーボンニュートラルとサーキュラーエコノミーの取り組み【1】

2020年9月22日、習近平国家主席は国連総会で「中国は2030年を二酸化炭素(CO₂)排出量のピークとし、2060年までにカーボンニュートラルを実現することを目指す」と宣言し、世界最大の温室効果ガス排出国である中国が脱炭素化への固い決意を示すことで、地球温暖化対策における国際協調が一歩前進した。カーボンニュートラルの実現に向けて、中国は新しい技術を生かし、石炭をはじめとする化石燃料が中心のエネルギー構造と、今まであえて発展させてきた重工業に偏った産業構造からの脱却が求められる。


また、今年3月11日に承認された循環型経済の目標をまとめた最新の「第14次五カ年計画(2021-2025年)」も、世界に大きなインパクトを与えるであろうと考えられる。


計画中に定められた目標の一部を紹介すると、以下のようになっている。

 

・2025年までに段階的に化石燃料の使用を廃止/再生可能エネルギー利用の促進
・GDPあたりのエネルギー消費量を13.5%削減
・水使用量を16%削減・古紙利用量6000万トン
・鉄スクラップ利用量3億2000万トン
・非鉄金属の再生量2000万トン
・サーキュラーエコノミーによる生産高を5兆元(約85兆円)

 

計画では上記のような目標が示され、2025年までにサーキュラーエコノミーの経済体制を構築することが掲げられた。

今回は、中国の五カ年計画(規画)の概要を簡単にご紹介する。

 

中国は1949年10月1日に建国され、企業の中長期計画を彷彿とさせるこの「五カ年計画(規画)」を通じて、現在ではGDP世界2位、14億超の人口を有する社会主義国家として成長した。この五カ年計画(規画)の正式名称は「中国国民経済と社会発展五年計画要綱」で、中国国民経済計画において重要な長期計画である。計画では、主に国の重要な建設プロジェクト、生産力の分布と国民経済の重要な比例関係などに対して計画を立て、国民経済の発展の未来図のために目標と方向を定める。

しかし、「五カ年計画」は実は中国で生まれたものでも、中国だけのものでもなく、1929年にソビエト連邦が最初の社会主義国家を創立した時に誕生させたものであり、戦後複数の社会主義陣営の国家が参考にしてきたという経緯がある。

 

スターリン氏がソビエト連邦を指導した際に、社会主義経済の発展に対し「社会主義は計画通りに行われるものだ」と主張され、当時の「五カ年計画」のおかげでソビエト連邦は輝かしい経済建設の成果を収めることができた。1937年には、第二次五カ年計画で定めた目標が完成し、重工業を中心とする工業化を実現し、工業生産総額は急速にヨーロッパで1位、世界2位まで躍進した。戦後、ユーラシア(アジア州とヨーロッパ州)において社会主義国家が大量に出現し、五カ年計画は社会主義陣営の中の多くの国家に参考にされてきた。したがって、中国もソビエト連邦に倣って、1953年に最初の五カ年計画を導入した。

約2年半の歳月を掛けて、「国家発展・改革委員会」などの国の機関が全国民を巻き込み、中間評価、構想のまとめなど11のステップを踏んで作られる中国の「五カ年計画」の、今年で第14回目となる最新版が、この春に発表された「第14次五カ年計画」である。

 

計画は、中国の国内外の有識者にも評価されており、スペインの中国分野の専門家であるフーリオ・リオス氏は、過去に計画の影響力について下記のような肯定的なコメントを寄せている。

 

「五ヵ年計画は中国で依然として重要な地位を持っており、定めた目標は公共機関に対し大きな影響力を持っている」
出典:https://baike.baidu.com/reference/6544998/173e6QlZ3XCsITBHnbx29UUHz2bt21lDItb1_qrDrh5IZNYMH5jzziQ-IXl7DBVPoq_rwNkyk337DMHJibRIhnk22rgGqy9gPDjl(中文)

 

次回は、第14次五カ年計画(規画)の中でもカーボンニュートラルとサーキュラーエコノミーに関連する部分を、重点的にご紹介する。


【参考資料】

「中国のCO2排出量、2060年までに実質ゼロに 習主席が表明」BBC NEWs JAPAN (2020年9月23日)

「循環経済の発展に関する第14次5カ年規画の目標・政策を発表」JETRO ビジネス短信(2021年7月15日)

百度百科 五年规划

【学四史】图解新中国史上的“五年计划(规划)(2020年12月1日)

「中国、循環型経済に関する新目標を発表。資源循環利用による生産高5兆元を目指す」Circular Economy Hub(2021年7月29日)

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