サーキュラーエコノミー

ホーム>カーボン&サーキュラーポータル>サーキュラーエコノミー>中国のプラスチック資源利用状況およびプラスチック汚染対策

2021年12月24日 (金)
プラスチック
解説

中国のプラスチック資源利用状況およびプラスチック汚染対策

プラスチックは重要な基礎材料として、経済社会のあらゆる面で広く利用され、人々に利便性をもたらす反面、環境に悪影響を及ぼしている。

1950年以降全世界で生産されたプラスチックは83億トンを超え、うち63億トンがごみとして廃棄された。回収されたプラスチックごみの79%が埋立て、あるいは海洋等へ投棄されており、リサイクルされたプラスチックは9%に過ぎない。中国の経済社会の発展と人々の生活水準の向上に伴い、2020年の中国のプラスチック生産量は1億トン余りとなり、プラスチック製品の生産量は7600万トンを超えた。

 

中国は他国に廃プラスチックを輸出した過去がなく、本土における処理率は100%である。また、中国は1990年代に世界からの廃プラスチックを処理し始め、2013年から2017年の5年間だけでも、輸入廃プラスチックを3660万トン処理し、世界の廃プラスチック汚染対策に大きく貢献してきた。

固体廃棄物の輸入禁止政策が実施された後も、中国の一部の再生プラスチック企業は東南アジア、日本、韓国、欧米などの国々に工場を投資し、中国の廃プラスチックの回収処理の経験と技術を各国に持ち込んだ。中国の再生プラスチック業界は、「グローバルで発生する廃プラスチック資源を中国に輸入して再生加工する」伝統的なモデルから、「海外に投資して海外で廃プラスチックを再生加工し中国へ輸入するプラスチック循環」のモデルに徐々に転換しており、再生プラスチック業界におけるグローバルな影響力を高めつつある。

 

中国物資再生協会の試算によると、2017年から2019年の間、中国国内の廃プラスチックの回収再生量は着実に増加し続け、一方でマテリアルリサイクル率は30%以上を維持した。2019年の国内廃プラスチック回収再生量は約1890万トンで、前年の2018年より60万トン増加した。翌年2020年は、世界的なパンデミックの影響もあり、国内の廃プラスチック回収再生量は1600万トン程度となった。

中国の再生プラスチック業界は、世界においても特に高度な産業チェーンを有しており、豊富な業界経験を基に、細かい作業に分業し、多様化した運行モデルを実践している。

 

また、近年中国ではプラスチック汚染対策に関する新たな政策が実施されたことに伴い、バイオプラスチック産業が急速に発展している。2020年の中国におけるPBAT¹、PLA²の年間生産能力は、それぞれ約30万トンと10万トンで、これらは世界の生産能力の約半分を占めている。2025年までに、中国のPBATとPLAの年間生産能力はそれぞれ700万トン前後と100万トン以上となるとされており、世界の生産能力の約3分の2以上を占めると予想されている。

 

2020年1月、中国の国家発展改革委員会、生態環境部が共同で発表した「プラスチック汚染対策のさらなる強化に関する意見」は、プラスチックごみの特定項目(具体的には、0.025mm未満のプラスチックビニール袋、厚さ0.01 mm未満のポリエチレン農業用ビニール、日用品に含まれるプラスチック製マイクロビーズの3種類)の取り扱いについて整理を実施するよう、該当生産事業者に要求した。

また、2021年9月には、上記委員会は重点地域におけるプラスチックごみの取り扱いの整理についてさらに細分化し、「第14次五カ年計画」の中に含まれる「プラスチック汚染対策行動計画」(以下、計画)を発表した。下記はその一部である。

 

1.生産段階からプラスチックの使用量を削減
当計画では、生産段階からプラスチックの使用量を削減するため、プラスチック製品のグリーン設計の積極的な推進について明示された。また、前述のプラスチックごみの特定項目3種に該当する製品は、生産を禁止するとした。

2.プラスチック廃棄物のリサイクル
全プラスチック汚染チェーンの各拠点の管理において挙げられる重要な事項の一つは、廃プラスチックの回収を強化し、再生資源に転換することである。前述のとおり、中国は近年、年間1900万トン近くの各種プラスチックを回収・利用してきたが、今後はさらなる強化が求められる(ただ、当計画では今後2025年までのリサイクル量に関して、具体的な数値までは明記していない)。

3.プラスチックごみの速やかな処理
中国では、廃プラスチックの「処理」に関しては効率化が促進されているが、回収工程では、効率的な回収が行われていない。当計画では、観光地や農村など、プラスチック製品使用後の不法投棄がよく見られる重点区域に焦点を当て、前述のプラスチックごみの特定項目の取り扱いの整理を実施すること、当該区域に投棄されたプラスチックごみは速やかに清掃すること、また、重点水域およびA級以上の観光地(2019年時点では12402ヵ所あり、年間観光客数(延べ人数)は計64.75億人)においては、目に見えるプラスチックごみの不法投棄やごみの散乱を原則ゼロにするよう提示した。

市場経済を通じて、都市廃棄物の処理費の設定基準を定め、また、セメント焼成炉、アーク炉などを総合的に利用することで、医療廃棄物、危険廃棄物、生活ごみなどを適正に処理し、それらによる都市廃棄物の統合的な処理を、全国の政府機関に求める。

 

※1 PBAT:ポリブチレンアジペートテレフタレート。包装材、医療機器、農業用フィルムなど様々な用途に使用できるとされ、有望視されている生分解性材料。
※2 PLA:ポリ乳酸。20年ほど前に開発された植物由来のプラスチック素材で、プラスチック材料の中では比較的新しい種類に分類される。

 

【参考資料】

一文看懂《“十四五” 塑料污染治理行动方案》权威解读(澎湃)

プラスチックを取り巻く国内外の状況(環境省)

“十四五”塑料污染怎么治?两部门:科学稳妥推广塑料替代产品 到2025年电商快件基本实现不再二次包装(每日科技新闻)

バイオ製品の普及に向けた取り組み(経済産業省)

洗顔料や歯磨きに含まれる マイクロプラスチック問題(環境省)

国家A级旅游景区(Baidu百科)

生分解性プラスチック の現状と課題(環境省)

RECOMMEND