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カーボン&サーキュラーポータル

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BASFのサーキュラーエコノミープログラム 

独の世界最大の総合化学メーカーであるBASF社は、2020年12月のプレスカンファレンスでサーキュラーエコノミープログラムを発表した。その内容は、2025年までにサーキュラーな原料を25万トン使用すること、サーキュラー関連の売上を2030年までに倍増し約2兆1千760億円(1ユーロ128円換算)にすること、サーキュラーに関連する設備投資・M&A・研究開発を優先事項とすることを方針としており、新たな原料の開発、新たな物質循環の仕組み作り、新たなビジネスモデルの構築の3つをアクションプランとして定めている。

これらのアクションプランの中で、新たな原料の開発と新たな物質循環の仕組み作りを現時点での取り組み対象としており、新たな原料の開発としてはプラスチックのメカニカルリサイクルおよびケミカルリサイクルに加え生物由来原料の拡充を挙げている。新たな物質循環の仕組み作りとしては、いまだ廃棄段階の仕組みが確立されていないEV車に注目しており、特にバージン材の生産にかかるカーボンフットプリントの大きなニッケルとリチウムのリサイクルを通じた物質循環の仕組みを、車載用バッテリーの大量廃棄が見込まれる2030年を目処に作り上げていく。

また、脱炭素と資源循環の融合も視野に入っており、サプライチェーン全体をデジタル管理するシステムを構築することにより、2021年末には45千種に上る製品のカーボンフットプリントを計算し顧客に公開する準備も行っている。 

 

【参考資料】 

BASF Research Conference 2020: Circular Economy