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EU 2050年までに洋上風力を300GWに拡大

欧州委員会は11月19日、グリーンディール政策の一環として洋上再生可能エネルギー戦略を公表した。

その柱となるのは、現在12GWある洋上風力の発電容量を2030年までに60GW、2050年までに300GWに増強するという目標である。また波力、潮流、洋上太陽光、藻類バイオマスといった新興の海洋エネルギーによる発電にも注力し、2030年までに1GW、2050年までに40GWを目指す。洋上風力には従来の着床式だけでなく、欧州の深い海域に適する浮体式も含まれる。

1991年にデンマークで世界初の洋上風力ファームが建設されて以来、EUの洋上風力発電は成熟し安価になりつつある。欧州委員会はこの戦略を通して、洋上再生可能エネルギーをEUの主要エネルギーの一つにする考えだ。

EUにはGHG排出量を1990年比で2030年に55%、2050年に100%削減する気候目標がある。また、再生可能エネルギーのシェアの目標を現在の32%から38~40%に引き上げる計画があり、この新たな目標の達成において洋上再生可能エネルギーの拡大普及は重要な役割を果たす。

2050年までに現在の30倍にものぼる洋上再生可能エネルギーを導入するには、発電関連のみならずグリッドインフラの開発も必要であり、欧州委員会は約8000億ユーロ(約100兆円)という巨額の投資が必要となると試算している。そのためInvestEUプログラムを通した投資を促進し、EUにおける洋上再生可能エネルギーの拡大に不可欠とされる国をまたいだ発電プロジェクトの開発を支援するとともに、新型コロナウイルスからの復興基金である「復興・強靭化ファシリティ」の活用も加盟国に求めている。また、関連する規制枠組みの明確化やサプライチェーン・バリューチェーンの強化も行う。

「持続可能な欧州投資計画(欧州グリーンディール投資計画)」の一部をなす投資、イノベーション、雇用創出を促進するためのプログラム。

 InvestEU基金、InvestEUアドバイザリーハブ、InvestEUポータルで構成され、2021~2027年で総額6500ユーロの投資を誘発する。

【参考資料】

LEAK: EU aims for 25-fold growth in offshore wind by 2050

EU raises offshore wind target to 300GW by 2050

欧州委員会 政策文書