世界で環境サービスを提供するフランス大手Veolia社は8月30日、公益事業を展開するEngie社が保有するSuez社の株式31.7%のうち29.9%を取得する提案を行った。この取引が成立すれば、残りの株についても株式公開買付を行うという。廃棄物処理および水道事業において世界のトップ企業になることを目指す。統合が実現した場合、400億ユーロを超える巨大企業が誕生する。
Veolia社はこの取引に伴う独占禁止法への対応の一つとして、Suez社の水道事業をフランスのインフラファンドMeridiam社に売却することに既に同社と合意している。
Engie社は7月31日に、事業集約の一環としてSuez社株の売却の可能性を示していた。Veolia社の提案は、その前日のSuez社の株価終値に約50%のプレミアムを上乗せした1株15.5ユーロ、総額29億ユーロを現金ですぐに支払うというものである。
Veolia社は「Suez社とは同業者であり、共通する企業文化・価値があるので、このプロジェクトは友好的なアプローチ」であるとしている。一方、2030年を見据えた企業改革の真っ只中にあるSuez社は「Veolia社の戦略は、フランス国内外でディスシナジーや機会損失をもたらす」と警戒し、敵対的買収であると認識している。また、フランスの水道事業や雇用にもたらす影響にも疑問を呈している。
Suez社は、Veolia社は過小評価しているとしてEngie社保有の株式については別の買い手を探している。新聞社の取材でもこの取引に対して拒否の姿勢を示している。
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