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ロレアルの容器リサイクル

 今年6月、世界最大の化粧品メーカーであるフランスのロレアルは、「ロレアル・フォー・ザ・フューチャー」を立ち上げ、サステナビリティへの取り組みを一層強化することを決定した。このプログラムでは、パッケージの100%が2030年までにリサイクルまたはバイオベースの資源から作られることを保証するなど、さまざまな誓約がなされている。

 そのプログラムの一環として、9月にロレアルはプラスチック問題の対策とサーキュラーエコノミー向上へ向けた取り組みを開始すると発表した。イギリスで展開するヘアケアブランド「L’Oréal Paris Elvive」の容器を100%再生プラスチックから製造するというものだ。この取り組みにより毎年900トンものプラスチック削減効果があるという。新しいパッケージでは、ボトルの裏などに記載されている説明文の3分の1のスペースを使い、リサイクル方法を紹介したデザインとなっている。さらに金属製のラベルは全て排除される予定だ。


 生産工程としては、100%再生可能エネルギーでまかなう、カーボンニュートラルの自社工場にて、まずは使用済みペットボトルから再生ペレットを製造する。そのペレットからボトルを形成し、100%再生原料から作られた商品が店頭に並ぶ。購入者は使用済みのボトルを水で洗い流し、キャップと分けてリサイクルする。その際ラベルもリサイクル可能なのではがす必要はないという。キャップも同様にリサイクルされ、全ての資源を循環させることができるのだ。


 発表されたマーケティングキャンペーンでは、リサイクルロゴのような形をした3本のElviveボトルとともに、消費者に対してボトルをリサイクルするよう呼び掛けている。

 また、このキャンペーンではイギリス政府が推進するリサイクルキャンペーン団体である「Recycle Now」にドラッグストアチェーンの「Boots」で販売された最初の10万個を対象に、1つにつき50ペンス(約60円)を寄付するとしている。

 一方、ロレアル傘下のブランドであるメイベリン・ニューヨークも新たなリサイクル推進プログラムを開始した。メイベリンとリサイクル企業のテラサイクルが連携し、イギリス国内の大手スーパーマーケットやドラッグストアなどでリサイクル回収ポイントを1,000カ所以上設置、消費者はブランドに関係なく使い終わった空の容器を持ち込むことができるというリサイクルキャンペーンだ。

 リサイクルできる容器は、コンパクトケースやパレット、ブラシ部分を含むマスカラ、口紅など。逆にリサイクルできない容器はガラス製のボトル、木製のアイライナー、ブラシ、マニキュア、エアゾール容器となっている。回収された空の容器は、材料のタイプごとに仕分けられ洗浄された後、細断されペレットになる。その後さまざまなプラスチック製品へと生まれ変わる。

 ロレアルのイギリス支社長Vismay Sharmaは、国内のブランドネットワーク全体でパッケージをより持続可能なものにするために自社製品を変更すると同時に、消費者にとってリサイクルしやすい美容製品を作るために多額の投資を行っていると述べた。

 また、美容業界のリーダーとして、ロレアルは消費者を持続可能な選択へと導き、その道筋を先導する責任があるという。 「ロレアル・フォー・ザ・フューチャー」プログラムの目的は、バリューチェーン全体の人々(消費者とサプライヤーの両方)が自分たちの環境フットプリントも削減できるようにすることだと述べている。

【引用元】
Make Up Not Make Waste: L’Oreal announces raft of recycling initiatives

【参考資料】
-Elvive Recycle

-MAYBELLINE NEW YORK

-Terra Cyle

-ロレアル日本

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