様々な業種の企業から、Science Based Target(SBT、科学的目標)などの社会的潮流に加え、各社の実態に整合した排出削減目標の設定について質問を頂き、コンサルティングを行う機会が増えています。
温室効果ガスへの対応は、もはや環境対応を超えた経営上の重要な取組みになりつつあることをふまえ、環境戦略/環境経営戦略の見直しの時期にさしかかっている企業が増えていることが主な背景の1つに挙げられます。
排出削減目標設定の期間(例:2050年/2030年/2025年/2020年)、基準年、レベル、内容、バウンダリー(範囲)は、所属セクター、これまでの取組み、事業戦略・製品戦略等により異なりますが、原則的には、次の要素を考慮して、Scope1,2,3(カーボンアドバイザーページの用語集参照)ごとに検討します。
- グローバル及び日本の気候変動関連政策・制度(例:長期低炭素ビジョン、カーボンプライシング政策動向)
- 事業・製品戦略
- Science Based Target(SBT、科学的目標)の設定プロセス・ツール(SBTツールがカバーしているセクターの場合)
- 電力セクター(グローバル/国内)の排出原単位のシナリオ(Scope2排出削減目標設定の際の参考情報)
- 特に国内の場合、電気事業における低炭素社会実行計画において電力の排出原単位目標が定められているものの、現実的にどうなっていくか可能性があるかのシナリオ
- Scope2排出量の削減オプション(例:再生可能エネルギーの調達、再生可能エネルギー発電設備の導入、効率的運用)
- Scope1排出量の削減オプション(例:燃料転換、効率運転)
- 対策オプションごとの排出削減量
- 対策オプションごとの排出削減コスト
- 低炭素設備投資回収期間
- 事業戦略に整合した排出削減プロジェクトの実行に伴う排出枠の獲得
机上で排出削減目標を設定するだけでは絵に描いた餅になりますので、生産部門や企画・開発部門を含め、全社的に納得できる設定プロセスをふむことが非常に重要となります。
排出削減目標の設定に関してお悩みのあるお客様はお問い合せください。