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中国新エネルギー車のマーケット状況及び補助金制度

新エネルギー車のマーケット状況

世界的な新エネルギー車のリードカンパニーであるテスラ社(米国)が初めて時価総額1兆ドルを突破、車載用バッテリーの先駆者であるCATL社(中国)も時価総額1兆人民元を突破するなど、新エネルギー車は引き続き世界投資のホットスポットとなっている。また、2021年、中国の新エネルギー車の生産台数が初めて300万台(販売台数は298.9万)を超え、前年の2020年に比べ170%の増加幅となった。そのうち、個人で新エネルギー車を購入した割合は全体の80%を占めた。結果として、2021年末時点で、中国自動車市場における新エネルギー車の浸透率は初めて10%を超えた。

過去の新エネルギー車購入補助金制度

中国の中央財政は、2009年よりこれまで12年間にわたり、新エネルギー車の購入補助金を191.59万台を超える車両に対して支給し、補助金額は累計1,478億元に達した。一方で、2015年までは新エネルギー車1台当たり平均10.64万元の補助金を受け取れたのに対し、2019年には約半分の5.7万元に下がっている。また、当初の計画では2020年までとされていた補助金の対象期間は、新型コロナウィルス感染拡大などの影響により2022年まで延長されたものの、2020年から2022年にかけ1年ごとに、補助金額を前年から10%、20%、30%ずつの割合で引き下げていく政策に変更されている。

購入補助金の政策は中国の新エネルギー車産業の発展を促し、「小鵬」、「理想」、「蔚来」などの新エネルギー車の新勢力企業は、2021年で著しい成長を成し遂げた。小鵬汽車の販売台数は98,155台(前年比263%)、理想汽車販売台数は90,491台(前年比177%)、上海蔚来汽車の販売台数は91,429台(前年比109%)となっている。

2022年の新エネルギー車購入補助金制度

2021年12月31日、中国の財政部、工業情報化部、科学技術部、発展改革委員会が共同で、「2022年新エネルギー自動車普及補助金案」を発表した。内容は、2022年1月1日からの新エネルギー自動車補助金基準では、補助金額を2021年をベースに30%減らし、2022年12月31日以降に販売される新エネルギー車に対しては、補助金を支給しない方針というもので、これは、2022年が中国における新エネルギー車に対する補助金政策を実施する最後の年になることを意味する。

具体的には、個人が非営利目的乗用車を購入する場合、航続距離が300キロ未満の新エネルギー車の場合は補助金の対象外で、航続距離が300キロ以上400キロ未満の新エネルギー車に対する補助金は9,100元(2021年比3,900元減少)、航続距離が400キロ以上で販売価格が30万元未満の場合は1.26万元(2021年比5,400元減少)、プラグインハイブリッドカーに対する補助金は4,800元(2021年比2,040元減少)となる。

新補助金制度の影響

この政策は、販売価格が3万元~8万元の小型電気自動車販売企業にとっては、営業利益を圧迫する恐れがあるともみられている。小型電気自動車販売企業のターゲットである消費者層は価格に敏感で、数千元の価格差でも意思決定に影響を与えるからである。それらの企業が小型電気自動車の販売シェアを維持するには、中央財政に代わり、購入者に補助金分の金額を割引せざるを得ないケースが出てくる。しかし、このような新エネルギー車の1台あたりの営業利益は一般的に数千元しかなく、企業が補助金減少の差分を補うと、利益に大きなインパクトを与える。

一方、自動車業界のベテランアナリストである梅松林氏は、2022年の補助金減少と2023年補助金の廃止を同時に発表した本政策は、短期的には新エネルギー車市場に打撃を与えるものではないと分析している。本政策は、新エネルギー車を購入する意欲がある潜在的な消費者にとっては、補助金最後の年となる2022年に制度を活用し、年内に新エネルギー車の購入を促すものになりうるとの見方である。


中国自動車産業の業界団体である全国乗用車市場信息聯席会 (乗聯会)事務局長の崔東樹氏は、2022年、中国の新エネルギー車の販売台数は550万台に達する見通しで、自動車総販売台数の25%前後を占めると予想している。この予想が実現すれば、国が定めた「自動車販売における新エネルギー車の割合25%」という目標は、3年前倒しで実現することになる。

【参考資料】

2020年中国新能源汽车充电站(桩)、公共充电站(桩)保有量及行业发展前景分析预测[图]

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