本稿では、2020年07月31日に本サイトで報告した英国のプラスチック包装税の進捗についてお伝えする。(前回の情報についてはこちらを参照)
2020年11月12日に英国歳入関税庁により公開されたプラスチック包装税に関する政府文書では、以下の点が追加・修正されている。
1)事業者による生産・取扱量の明確化:
1年間に10トン以上。1年間(12ヶ月間)に英国内で製造または英国に輸入するプラスチック包装の総量が10トン以上の業者は課税対象となり、英国歳入関税庁に登録する必要がある。10トン未満の業者は課税及び登録を免除される。
税金は、VAT(付加価値税)と同様に、四半期ごとに申告する。登録業者の自己評価に基づく算定となる。製造業者または輸入業者は、歳入関税庁による監査時に、非課税対象のプラスチック包装について30%のリサイクル・プラスチックが含まれていることを証明する責任がある。
2)課税対象製品の種類とリサイクル内容の定義:
以下は課税対象外となる。
-複数の材料で作られた製品で、重量比でプラスチック以外が最も重い場合。
-認可された医薬品の包装用として即時に包装が必要なもの、またはその輸入品。
-英国に製品を輸入するための輸送時に梱包・緩衝材として使用されるもの。
いくつかの詳細については継続協議となっている。
3)輸出品の包装と輸出時の梱包・緩衝材:
英国から輸出される製品のパッケージは、課税対象外。ただし輸送に使用される梱包・緩衝材は課税対象となる。
英国政府は、輸出品と輸入品の包装、及び輸送時にそれらを梱包するプラスチック(フィルムやパレットが含まれる)について、検討を継続する。英国のプラスチック製造業者に不利益になる証拠が明確になる、あるいは、課税対象の包装を追跡するための新しい方法が開発された場合には、さらなる行動を行う予定である。
本税金の基本骨子となる「リサイクル・プラスチック含有量30%未満の包装への課金が1トンあたり200ポンド」という条件には変更が無い。
リサイクル・プラスチック材料の製品への使用比率による税制は、世界でもイギリスが先行して制度設計を行っている。同件は、進捗を追って報告していく。
【参考資料】
欧州で2021年から導入が議論されているプラスチックパッケージ税の状況
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