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CDPの質問書(Climate Change)による情報開示の概要と傾向

CDP2023では、23,000社以上の企業が情報開示を行ったうち、日本企業の回答数は約2,000社という結果となった。
近年、CDP情報開示における質問書の内容は、組織の体制から、自社の取り組みにおける削減量及び調達先などバリューチェーン全体での取り組みに焦点が移っている。本稿では、CDP質問書(Climate Change)の概要と傾向に関して掲載する。


目次

  1. CDPとは
  2. CDP質問書に関する近年の傾向
    ①パフォーマンス重視
    ②バリューチェーンにおける取り組み
    ③目標のレベル・移行計画重視
  3. CDP質問書(Climate Change)各項目の概説
  4. CDP質問書の展望
  5. CDP2024質問書のスケジュール

 

1.CDPとは

 CDP2000年に発足した、企業や自治体の環境情報開示のための世界的なシステムを有する国際的な非政府組織(NGO)である 。主要国の時価総額上位企業に対して環境情報開示のための質問書を送付し、各企業等による回答内容に基づいてスコア付けを行い、開示する取り組みを行っている。

ESG投資が進展する中、ESG評価制度で最も著名なものの1つであるCDP質問書への回答・評価向上は、企業にとって、投資家からの評価獲得や顧客との取引継続・関係性強化のための重要な取り組み事項となっている。

 

2CDP質問書に関する近年の傾向

2023年のCDP質問書を確認すると、近年の全体的な傾向として下記の3項目が挙げられる。

①パフォーマンス重視

 ・従来は、例えば温室効果ガス排出量が増加しているなど、パフォーマンス面が多少良くなくとも、気候関連課題(気候関連リスク・機会)に関するガバナンス体制が整備されている、気候関連リスク・機会が特定・評価・管理されている、および温室効果ガス排出量が把握・回答できている等、管理体制が整備されていることにより、高評価を獲得することができる面があった。

 ・近年では、評価視点がパフォーマンス重視(例:温室効果ガスの排出削減が実現できているか)に移行しつつあり、その評価ウェイトが高まっている。 

②バリューチェーンにおける取り組み重視

 ・自社における排出削減活動だけではなく、調達先・販売先等、バリューチェーン全体における温室効果ガス排出削減に係る協働・取り組み状況に関する評価ウェイトが高まっている。

③目標のレベル・移行計画重視

 ・SBT認定の有無等、温室効果ガス排出削減目標のレベルが重視されつつある。

 ・目標設定とともに、移行計画(脱炭素までのロードマップ)の策定有無が重視されつつある。

 

3.CDP質問書(Climate Change)各項目の概説

 CDP質問書における各項目の設問の趣旨は下記の通りである。


 

4. CDP2024質問書の展望

CDP2024への回答に向けた検討を進める企業も多いところ、CDP2024質問書は、20246月上旬に公表予定となっている。
以下、CDP事務局が示す情報に基づき、CDP2024の形式的な変更点の概観を掲載する*。
*予定であり、確定情報ではない。

 4-1. 全分野共通項目
 

 ・質問書の種類が1つに統合される。
  Climate Change、Water Security、Forestsで重複している内容がなくなり、1つの書式に統合される。

 ・スコアリングの項目と内容
  Climate Change、Water Security、Forests、それぞれのスコアが付与される。

 ・質問書の内容
  質問書は、IFRS S2号「気候関連開示」と整合した内容となる。

 ・オンラインでの回答
  新たなCDPプラットフォームが開設される。新システムに伴う開示項目に関しては、20244月に開設予定となっている。

 

5. CDP2024質問書のスケジュール(予定)

なお、新システムに伴う改定及びスケジュールに関しては下記が想定されている。

 

本稿ではCDP質問書の内容のうち、 Climate Change分野の解説を行った。
Climate Change以外のWater Security、Forestsに関しては、今後別記事にて掲載予定である。


【参考資料】
宝印刷D&IR研究所 調査研究報告 寄稿
「企業のESG評価制度への対応の必要性と方向性 ~CDPを例に挙げて~」株式会社ブライトイノベーション  常務取締役  荻巣和紀
CDPプレスリリース

CDP Webサイト


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