気候移行計画の策定が求められる背景
カーボンニュートラルやネットゼロは、いまや企業活動にとって不可欠なテーマです。国連のグローバル・ストックテイクでは、世界全体で2030年までに温室効果ガス(GHG)排出を2019年比で43%、2035年までに60%削減し、2050年までに排出をネットゼロとする必要性が示されています。
日本でもGX推進などの政策を通じ、産業構造や投資の方向性の転換が進められています。さらに、トランジションファイナンス基本指針をはじめ、ISSBのIFRS S2やSSBJ基準、ならびに欧州CSRDに基づくESRS E1などの主要な開示基準において、科学的根拠に整合した排出削減の方向性や、その実現を支える投資や資本配分の考え方を、移行計画として開示することが規定されました。
こうした世界的な動きが加速するなか、企業にはネットゼロ達成に向けた道筋を明確に描き、経営戦略へ組み込むことが求められています。
コンサルティング項目
移行計画の策定では、まず1.5℃目標と整合した中長期の排出削減目標を明確にし、その対象範囲や前提条件を具体化することが重要です。
また、脱炭素目標を環境部門だけの課題にとどめず、経営戦略や財務計画と結びつけ、投資方針や事業ポートフォリオと一体で示すことが求められます。加えて、再エネ導入や省エネ、ならびに燃料転換などの具体策を時間軸とともに整理し、実行可能性を示す必要があります。
さらに、取締役会を含むガバナンス体制を整備し、進捗を継続的に管理、および開示することで、計画の信頼性と実効性を高めることができます。
-
野心的かつ定量的な削減目標の設定TCFDやISSB(IFRS S2)をはじめとする主要な開示基準が、1.5℃目標と整合した削減目標を設定し、中間目標と長期目標を定量的に示すことを求めていることをふまえ、クライアントの事業特性を加味したGHG排出削減目標などを設定することが必要です。
-
経営戦略と財務計画への統合移行計画が全社的な事業計画や財務計画と整合し、脱炭素に向けた投資額や資本支出の方向性、ならびに財務インパクトを含めて明示されることが推奨されています。
-
具体的な移行施策と時間軸の明確化削減目標を達成するための具体策(省エネや再エネ導入、燃料転換、ならびに技術投資など)を実行する時間軸とともに、できる限り具体的に示すことが重要です。
-
ガバナンス体制の整備移行計画の策定や実行を監督する委員会や取締役会などの各レイヤーにおける役割分担、および経営トップが責任を持つガバナンス体制を整備していることが求められています。
-
進捗モニタリングと継続的な情報開示移行計画は策定して終わりではなく、毎年度の進捗状況(目標対比の実績排出量や施策の実施状況)を継続的にモニタリングし、必要に応じて計画を見直すPDCAサイクルが不可欠です。

支援事例
電機・電子、小売、食品、消費財、素材、建設、機械、鉄鋼、情報通信、不動産、金属など幅広い業界において、移行計画策定を支援しております。
ブライトイノベーションが選ばれる理由

1.事業計画やマテリアリティとの整合
移行計画を単独の気候変動対応として作るのではなく、クライアントの中期経営計画や成長戦略、および重要課題(マテリアリティ)と整合させながら策定を支援いたします。脱炭素対応を経営課題として位置づけ、投資判断や事業ポートフォリオの見直しにもつながる、実効性の高い計画づくりを支援いたします。

2.複数の気候関連対応との連携
移行計画は単独で存在するものではなく、TCFD開示(リスクと機会の特定や評価)やSBT、GHG排出量算定、ならびに環境投資計画などと密接に関係します。こうした関連項目を個別対応で終わらせず、相互に整理し、連携させることで、社内負荷を抑えながら一貫性のある気候変動対応の実現を支援いたします。

3.開示方針や利用目的に沿ったカスタマイズ
移行計画の位置づけや策定目的は、統合報告書での開示、投資家との対話、顧客要請への対応、ならびに社内戦略の整理など、企業ごとに異なります。画一的な雛形を当てはめるのではなく、クライアントの開示方針や利用目的に応じて内容や粒度を調整し、実務で使いやすい形式での作成を支援いたします。
コンサルティングフロー
現状把握と課題整理からスタートし、事業戦略と整合した目標設定を行い、その実現に向けた具体的な施策ロードマップの作成、さらには継続的な推進体制や開示設計まで体系的に支援いたします。
・気候変動関連の政策や規制、業界他社の動向などの最新状況をふまえた課題の整理
・中期経営計画や重要課題と整合した移行計画の基本方針の策定支援
・整理した施策の実施時期や想定削減効果などを含む実行ロードマップの作成支援
・投資家や取引先、社内向けの開示内容や活用方法の検討支援