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技術を「事業」に変える第一歩。ケミカルリサイクル社会実装への挑戦

技術を「事業」に変える第一歩。ケミカルリサイクル社会実装への挑戦
荏原環境プラント株式会社
荏原環境プラント株式会社は、固形廃棄物処理事業を中核に、ごみ処理施設や環境・エネルギー関連施設の設計・建設、運転管理、維持管理・補修工事などを通じて、資源循環と持続可能な社会の実現に貢献する事業を展開しています。
https://www.ebara.com/eep/jp-ja/

お話をお伺いした方

荏原環境プラント株式会社
事業・開発統括部
ソリューション事業開発部
部長
佐藤 郁磨様
荏原環境プラント株式会社
事業・開発統括部
カーボンニュートラル技術部
部長
井原 貴行様

荏原環境プラント様のサステナビリティに関する取り組み

荏原グループの長期ビジョン『E-Vision2035』では、社会・環境価値と経済価値の同時向上(最大化)による持続可能な社会づくりへの貢献を掲げています。中期経営計画『E-Plan2028』では、全体最適を通じた持続的価値創造と事業ポートフォリオの進化をテーマに、廃棄物を高付加価値の資源に変えるアップサイクラーとして従来のリニア経済から循環経済への移行をリードし、資源循環、脱炭素、ネイチャーポジティブの領域へ事業ドメインを拡大することを見据えています。そのような中で、私たち荏原環境プラントはケミカルリサイクルの社会実装を推進し、資源循環における重要プレーヤーとなることを目標として掲げています。

コンサルティングサービスを受けるまでの経緯

支援前に抱えていた課題

ブライトイノベーションの支援を受ける以前に抱えていた課題を教えてください。

(佐藤様)気候変動や海洋プラスチック問題が世の中で取り上げられ始めた2018~19年頃、これを解決するための一つの手法として当社のガス化技術が活用できると考えました。元々、廃棄物を燃料化するガス化技術の開発を行っており、これを“廃棄物を原料としたケミカルリサイクルという観点で活用できるのではないか“と考えたのです。ただ、資源循環を考えた時に、ガス燃料化で良いのかというとそうではありません。

そこで、ICFG®内部循環流動床ガス化システムという技術を利用して、廃棄物をガスだけでなく液体・油(再生油)にできる可能性に着目しました。しかし、資源循環は自社だけではできない部分があります。技術はあっても社会実装が難しい状況の中で、どういう企業様を加えて座組を作っていくか、初期の段階からブライトイノベーションさんに示唆をいただきつつ、再生油を利用できる企業様や原料調達に知見のあるエンビプロ・ホールディングスさんと会話をはじめました。その中で、再生油の生成や社会実装の可能性については、きちんとデータを取って技術の成熟をさせていかないと難しいとの考え方から、廃棄物からの再生油生成の実証実験が大きな開発テーマになりました。

(井原様)現状では、ケミカルリサイクルに資するものを選んで(予め選別して)リサイクルすることが多いと思います。我々は逆の発想で、質の悪い、相対的に低品位な廃プラスチックをリサイクルすることが基本的なコンセプトになっています。世の中に存在する低品位なものも含めて、様々な廃プラスチックをリサイクルし利用可能であるということを確認していったその先には、再生油の利用者の方々に広く安心して使っていただける社会があると考えて、この取り組みを進めています。世の中のニーズに合致した廃棄物を選び、試験する方法に関して我々には伝手がなかったため、ブライトイノベーションさんの力が必要でした。

当社を知ったきっかけ

どのようにしてブライトイノベーションを知ったか、きっかけを教えてください。

(佐藤様)ケミカルリサイクルに取り組み始めた頃、ブライトイノベーションさんの親会社であるエンビプロ・ホールディングスさんとの接点が出来ました。エンビプロ・ホールディングスさんは、マテリアルリサイクルや資源循環などの領域に長けている企業としてご紹介を受け、会話を始めました。その中で、ブライトイノベーションさんについては、サーキュラーエコノミーソリューションを提供している会社と理解いたしました。

支援先を決定した理由

なぜブライトイノベーションに支援を依頼してくださったのでしょうか?

(佐藤様)我々の今後の大きな目標の1つとして、“技術を社会実装し、事業を成立させること“を社会に見せることが必要だと考えています。それを進めていくための第一歩として実証試験に取り組んでいます。自分たちが今後事業をしていく時にどこまで考える必要があるのか、何を今考えるべきなのかについては、今までの事業運営やコアビジネスとは違う考え方を持ってアプローチすることが必要です。そこで、経験のある皆様からの話を聞くのは大事なことだと考えました。

荏原環境プラントの支援事例インタビューにおける、佐藤 氏のインタビュー風景

(井原様)そうですね。まさに、単なる調査ではないところをエンビプロ・ホールディングスさんとブライトイノベーションさんは担われていて、他社さんも含めて廃棄物を扱っています。実際の支援では、リサイクル施設の見学をご一緒させていただき、このような廃棄物が実体として出ているということを捉えながら、我々の実証試験の計画に落とし込んでいます。社会実装していく上で、各フェーズで段階を踏んで開発を進めていきますが、現場を見て、実際にできること・できないことの判断材料を得ることで、欲しかった情報に手が届きますし、きめ細かな実証が可能になりました。

両社と会話をさせていただく中で、そういった広がりを認識しながら進めていけているということ、そして将来の我々のビジネスや事業の姿にそれがマッチするということが、技術面のメリットだと私は捉えています。

コンサルティングサービスを受けた感想

当社が支援した内容

ブライトイノベーションが支援した内容を改めてお聞かせください。

(佐藤様)廃プラスチックの市場調査や事業モデル検討を支援いただき、世の中に発生している産業廃棄物の実態をよく把握することができました。実証試験として何を取り扱うのが適切なのかをアドバイスいただいたというのが第一ですね。また、事前準備にあたる部分でもアドバイスをいただきました。廃棄物がどこから、どのようなプロセスで出てきて、どのように処理されているのかが分かれば、資源循環のルートを正確に考えることができます。実際の廃棄物の出方を教えていただきつつ、廃棄物を我々のプラントに納品してもらいます。その際、すべてを受け入れられるわけではないので、「不適なものがあった場合にはこうしましょう」とか、「不適物が入らないようにするにはこういったプロセスを採りましょう」等、実際の問題点が出ないように、予め準備をするためのアドバイスをいただけたことが、支援の中で非常に大きかったと思います。

(井原様)廃棄物処理の法律や事前調整、原料の搬入・搬出時の確認などのオペレーション部分をブライトイノベーションさん、エンビプロ・ホールディングスのグループ会社のエコネコルさんに代行いただいたので、開発をする段階で思わぬところで思わぬ問題が生じることなく、スムーズな原料受け入れができました。また、事前にリサイクル施設で見せていただいたものと同じものがしっかり現場に届けられているという状況でした。そういったことを我々が一から取り組むとするととても大変な作業になりますが、最終形態を見据えたうえで、現場の受け入れ管理がスムーズにできたので、非常にありがたいですね。

荏原環境プラントの支援事例インタビューにおける、井原 氏のインタビュー風景

荏原環境プラント様社内外の変化

支援を受けて貴社の社内外に変化はありましたか?

(佐藤様)実際に実証試験で使った原料を、視察で来社してくださる方々へ紹介してきました。我々が最初に考えていた綺麗なプラスチックから汚れたプラスチックまで、世の中に流通している“廃棄物として処理しなければいけないもの”について処理の過程を説明するのですが、多くの方に共感いただいています。つまり、“そういう廃棄物ってあるよね”という一般認識から全く外れていないということを、視察された方々の反応から確信することができました。実態に即した原料を、今回の環境省補助事業に対する試験では調達していただき、非常に自信を持って説明ができる部分の一つであると考えています。

技術を社会実装していく過程では、特殊な廃棄物や原料ではなく、“よくあるもの”でないと、実証する意味がありません。実証の意味目的に照らしあわせた時に、非常に良いものをご提供いただけたと思っています。今後、技術の社会実装の先は、燃やさない処理、そして資源循環というものができる、ということを見せていきたい。そういう事業を育てていきたいと思っている中で、非常に大きな第一歩だったと思います。

荏原環境プラント様の今後の取り組み目標

今後の企業としての目標について教えてください。

(佐藤様)現在は産業廃棄物を中心に、包装系の綺麗なプラスチックや、建設系の雑多なプラスチック、リサイクル工程の破砕くずをご提供いただいています。今後はさらに、例えば自動車の廃材から出てくる破砕くず(ASR)や、自治体を対象として色々な有機ゴミが混ざったプラスチックなどを幅広く受け入れ、資源循環させていくことができるかどうかを確認したいと考えています。先は長いですが、一つ一つ、原料を見定めながら、それぞれに対する結果をきちんと積み重ねていきたいです。

(井原様)様々な廃棄物を対象とした実証において、いくつかのシナリオを順次展開して、社会実装に向かっていきたいと考えています。廃棄物を幅広く取り扱う際のスムーズな調達・受け入れが、今後もできることに大変期待しています。産廃プラスチックの処理をしっかりやりつつ、それ以外の周辺の廃棄物へと対象を広げていって、「概ね問題なくケミカルリサイクルができるね」という方向に持っていける道筋を作りたいです。この取り組みは、我々だけでは絶対できません。廃棄物を身近に扱っているエンビプロ・ホールディングスさん、ブライトイノベーションさんの協力を全面的にいただくということがポイントになると考えています。

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