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プラスチック資源循環促進法における再資源化事業計画の認定制度と活用実務

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プラスチック資源循環促進法(プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律)では、プラスチックの資源循環を促進するため、事業者が「再資源化事業計画」を作成して国の認定を受けることで、廃棄物処理法上の許可に関する特例等を活用できる制度が設けられている。認定を希望する事業者は、2025年11月に全面施行された再資源化事業等高度化法をはじめとする最新の規制動向をふまえ、制度の仕組みや得られるメリットを整理しておく必要がある。本稿では、プラスチック資源循環促進法第48条に基づく、排出事業者等による再資源化事業計画(一号・二号認定)の要件と、実務における活用のポイントを解説する。

【関連記事】プラスチック資源循環促進法の全体像や、企業に求められる基本対策については『プラスチック資源循環法(プラ新法)とは?企業の義務と具体的な対策を解説 』をご参照ください。

再資源化事業計画認定制度の仕組みと認定区分

再資源化事業計画は、プラスチック廃棄物の収集・処理プロセスを円滑化するための特例制度である。まず、申請者の主体に応じた2つの認定区分と基本構造を整理する。

自社排出物の処理を効率化する一号認定の概要

一号認定は、プラスチック資源循環促進法第48条第1項第1号に基づき、排出事業者が自ら排出するプラスチック使用製品産業廃棄物等の再資源化事業を行う区分である。

環境省資料に基づく、プラスチック資源循環促進法における一号認定(排出事業者が申請者となる再資源化事業計画)の処理・委託スキーム図
図1:一号認定(排出事業者が申請主体となるスキーム)の構造図
(出典:環境省『プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律に係る排出事業者等による再資源化事業計画認定申請の手引き(3.1版)p.4』)

計画に記載した収集・運搬事業者や再資源化事業者などの委託業者は、業許可がなくても計画どおりの収集・運搬・処分を実施できる(プラスチック資源循環促進法第50条)。
特に、全国の工場や物流拠点から梱包フィルムや成形端材など同じ種類のプラスチックが定常的に排出される企業では、拠点ごとに分かれていた委託先を一つにまとめ、品目・重量・処理ルートを一元管理できる。

処理事業者が複数企業から委託を受ける二号認定の概要

二号認定は、プラスチック資源循環促進法第48条第1項第2号に基づき、複数の排出事業者から委託を受けた再資源化事業者が一括して再資源化を行う区分である。

環境省資料に基づく、プラスチック資源循環促進法における二号認定(再資源化事業者が申請者となり複数の排出事業者から回収する計画)の処理・委託スキーム図
図2:二号認定(再資源化事業者が申請主体となるスキーム)の構造図
(出典:環境省『プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律に係る排出事業者等による再資源化事業計画認定申請の手引き(3.1版)p.4』)

認定事業者自身が業許可なしで収集・運搬・処分を行えるほか、計画に記載された受託者も許可なしで収集運搬を担える(プラスチック資源循環促進法第51条)。排出事業者から見れば、二号認定事業者に委託することで、自社で申請せずとも特例スキームに参加できる。

再資源化事業計画の主な認定要件

再資源化事業計画の認定を受けるための、主な要件・基準は以下のとおりである。

①再資源化事業の内容

  • 収集から再資源化物の利用(売却先・残渣の引渡先を含む)までの行程が明らかであること
  • 収集したプラスチックを相当程度再資源化すること(熱回収は再資源化に含まれない)
  • 委託範囲と責任範囲を明確にし、産業廃棄物管理票(以下、マニフェスト)等で処理行程を統括把握できること

②申請者・受託者の能力

  • 申請者・受託者が再資源化事業を適確に行うための知識・技能を有すること
  • 経理的基礎を有すること(法人は直前3年の貸借対照表・損益計算書・法人税の納税証明書等で示す)

③申請者・受託者の施設

  • 収集や運搬、再資源化に必要な施設・設備を保有し、それらが事業を適切、継続的に実施できるものであること

④欠格要件

  • 申請者が、プラスチック資源循環促進法第48条第3項第3号に規定する欠格要件に該当しないこと

再資源化事業計画の認定取得によって企業が得られる具体的なメリット

本制度の認定を受けることで、従来の廃棄物処理法に基づく手続きの簡素化や支援措置を活用できる。ここでは、事業上のメリットを整理する。

収集運搬および中間処理における業許可不要の特例措置

産業廃棄物収集運搬業の許可は、積込み・荷降ろしを行う都道府県ごとに必要となる(政令市内で積替え保管を行う場合等は政令市長の許可)。複数県にまたがる拠点回収では、全地域で許可を持つ業者の選定が最大のハードルになりやすい。認定は国が一括して行うため、計画の範囲内であれば地域ごとの業許可は求められない。許可証の確認・更新管理の工数が減るうえ、複数拠点の巡回回収や納品車両の帰り便を活用したルート設計が可能となり、積載率向上による物流コストとCO2排出量の削減も見込める。
ただし、特例の対象は「業の許可」に限られる。廃棄物処理法第15条の処理施設設置許可は認定後も必要であり、再資源化で生じた残渣の処理も業許可業者への委託が前提となる。
自治体と連携した回収スキームを検討する際は、市区町村側の動向もあわせて把握しておきたい。詳しくは『プラスチック新法:市区町村の再商品化計画のポイント』で解説している。

資金調達および研究開発における支援措置

再資源化事業計画の認定を取得することで、企業は資金調達および研究開発において支援措置を活用できる。認定事業者向けの支援制度を活用すれば、再資源化に必要な設備投資や新たな技術の開発、既存プロセスの改善に必要な資金を確保しやすくなり、資金面での負担軽減につながる。
行政・自治体における資金調達・助成の全体像は『プラスチック新法:循環型社会形成推進交付金の要件化』で補足している。

認定再資源化事業者は、プラスチック資源循環促進法第54条に基づき、公益財団法人産業廃棄物処理事業振興財団による支援を受けられる可能性がある。具体的には、再資源化施設の整備に必要な資金の借入れに係る債務保証や、新たな処理技術の研究開発に対する助成金の交付である。選別設備やケミカルリサイクルの実証など設備投資を伴う計画では、申請段階から資金計画に組み込むことも検討されたい。最新の募集要項・上限額は同財団の公表情報を確認されたい。

再資源化事業等高度化法との違いと実務における制度の使い分け

実務においては、2025年11月に全面施行された再資源化事業等高度化法など関連する最新法規制との関係性を把握し、自社に適した制度を選択することが求められる。

対象素材と認定要件における比較視点

再資源化事業計画がプラスチックに特化した制度であるのに対し、再資源化事業等高度化法は、素材を限定せず再生材の質と量の確保を目的とする。同法は、高度再資源化事業、高度分離・回収事業(太陽電池やリチウムイオン蓄電池等)、再資源化工程の高度化の3類型で構成されている。
下表のとおり、制度選択の決め手は「許可特例の範囲」と「再生材供給の事業規模」となる。

比較項目プラスチック資源循環促進法
再資源化事業計画
再資源化事業等高度化法
3つの類型
選択のための比較視点
対象素材プラスチック使用製品産業廃棄物等類型①③は素材を限定しない。類型②は環境大臣が定める廃棄物(省令・告示で指定)プラスチック単体の回収はまず再資源化事業計画を検討
許可特例業許可のみ(施設設置許可は必要)類型①は業許可・施設設置許可とも不要。類型②は処分業・施設設置許可が不要(収集運搬業許可は必要)。類型③は施設の設置・変更許可を受けたものとみなす処理施設の新設を伴う場合は高度化法を比較
主な要件利用先の明確化、相当程度の再資源化再生材需要者の確保、GHG削減効果の定量評価動静脈連携まで見据える場合は高度化法
想定規模自社拠点群、地域の複数排出事業者広域の回収網と再生材の安定供給自社拠点群の回収は再資源化事業計画から着手

自社排出物の効率的な回収が目的なら再資源化事業計画、再生材サプライチェーンの構築まで踏み込むなら高度化法が適しているといえる。
高度化法の認定類型と活用メリットについては『再資源化事業等高度化法の認定制度活用のメリット』を参照されたい。

再資源化事業計画申請に向けた具体的な手順と運用の注意点

認定の取得にあたっては、事前相談から審査まで段階的な準備が必要となる。申請プロセスと運用上の留意点を確認する。

事前相談から認定に至る申請プロセス

標準的な流れは以下のとおりである。

  1. 排出実態の棚卸し:拠点ごとの品目・重量・既存委託先・再資源化物の利用先を整理
  2. 事前相談:経済産業省、環境省、各地方環境事務所の窓口に相談
  3. 申請:原則としてGビズIDによるオンライン手続きで提出
  4. 審査・認定:新規申請の標準処理期間は3か月(書類補正の期間は含まない)
  5. 実施状況の報告:年1回、6月30日までに前年度の実績を主務大臣へ報告

特に、再資源化物の利用先の確定と、受託者を含めた経理的基礎の証明書類の準備に時間を要しやすい。事前相談と補正の期間は標準処理期間に含まれないため、認定希望時期から逆算して着手する必要がある。

マニフェスト管理および立入検査への対応

業許可が不要になっても、廃棄物処理法の基本ルールは引き続き適用される。

  1. 排出事業者のマニフェスト交付義務は残り、二号認定では申請者が当該処理の終了を把握できる運用が必要
  2. 二号認定では認定事業者に帳簿の備付け・保存義務が生じる
  3. 計画に記載のない者への委託や、受託者による再委託は認められない

主務大臣の職員による事務所・工場・運搬車への立入検査も想定されており、報告拒否や検査拒否には30万円以下の罰金が科される。計画外の委託などが判明すれば認定取消しとなり、その後5年間は再認定を受けられない。委託先の追加時に変更認定を経ず運用を始めてしまう事態は、取消し事由に直結する実務上のリスクと考えられる。

まとめ:自社の排出構造に応じた持続可能な資源循環の構築

再資源化事業計画の認定制度は、処理コストの削減に加え、自社の静脈物流と資源循環の仕組みを強化する手段として活用できる。多拠点で同じ品目のプラスチックがまとまって排出される企業は一号認定、量が限られる拠点は二号認定事業者への委託という使い分けが基本となる。再生材の安定供給まで視野に入れる場合は、高度化法との比較も検討したい。自社の排出状況やパートナー企業との連携体制をふまえて制度を組み合わせることが、持続可能な資源循環の仕組みづくりにつながる。

参考資料

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この記事の監修者

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