コンサルティングサービスを受けるまでの経緯
支援前に抱えていた課題
当社の主力品種の1つであるH形鋼のEPDを日本で初めて取得した2017年頃は、アメリカのLEED認証でEPDを取得した製品を一定以上使用すると加点になるという背景がありました。最近は、LEED認証に留まらず、欧州ではH形鋼、ホットコイル等の鉄鋼製品を販売する際、ある意味通行手形のような形でEPDが求められるケースが増えてきていました。サステナビリティ情報の持つ価値というのが、数年前に比べると格段に高まっており、同時にニーズも感じていました。
我々は建材製品から鋼板製品まで様々な製品があり、工場も4箇所あります。サステナビリティ情報開示は製品ごとに開示が必要となり、それぞれに対応する大変さがありました。
主な製品のデータを集め、第三者機関の認証をとって示していく必要性を把握はしていたのですが、有体にいうと人手が足りていませんでした。どうしても現有の人員ではサステナビリティ情報の収集、計算、EPDの所定のフォームに必要な情報を入れて、認証機関とやり取りをしていくというのは、非常にリソースがかかります。当社の場合、他の業務と並行してサステナビリティの業務を対応しておりますので、スピード感も考えると、自力で全て行うのは難しい状況でした。
当社を知ったきっかけ
元々ブライトイノベーションさんのグループ会社と東京製鐵は関りがありまして、そのつながりで紹介してもらった経緯があります。
グループ会社の方に「今後サステナビリティの情報開示や統合報告書の対応をしていく必要がありまして」という話をした際に、「グループ会社にコンサルティング会社があります」と返答があり、ブライトイノベーションさんのことを知りました。
支援先を決定した理由
グループとして当社との取引があり、事業内容に加えて、”鉄のこと”をよく理解されているサステナビリティのコンサルティング会社、という点で心強いと感じたことが決め手でした。我々のビジネスを一から十まで説明しなくとも、一を聞いたら十わかっていただけるところがあり、ブライトイノベーションさんに依頼をするのが最短距離だと考えました。

コンサルティングサービスを受けた感想
当社が支援した内容
CDPの回答支援から始まり、統合報告書の対応やカーボンニュートラルロードマップ策定支援、EPD取得など多岐にわたる支援を受けています。
東京製鐵様社内外の変化
少しマニアックな話になりますが、以前は、一つのEPDを取得するだけで、国際規格であるISO 21930と欧州規格EN 15804の双方に整合することができていました。しかし、その後の改訂や欧州域内の規制強化によって、現在はISO21930とEN 15804それぞれのEPDの取得が必要となりました。
こうした背景と欧州向けの鉄の輸出が増える中で、元々取得していたISOに加えてEN規格に準拠したEPDを取得することは、営業戦略上、非常に重要だと感じていました。実際にEN規格のEPDを取得したことで取引先とのやりとり、説明、納得感もスムーズに得られるようになり、欧州だけでなく国内のお客様からの評価も高まったと思います。
はい。例えば製品のカーボンフットプリントでいうと、高炉材は約2.0t-CO2/tで我々の電炉材は約0.4t-CO2/tと、漠然と言われていた数字に裏付けが付く影響は大きかったです。お客様も自社のスコープ3の削減への取り組みが叫ばれている中、EPDのデータを提示することで、電炉材のCO2排出量や高炉材から電炉材への切り替え効果を明確な数値としてご提示できるようになりました。
当社の支援対応
「あ、ここまでやっていただけるんだ」というところまで踏み込んで計算や対応をしていただいています。依頼当初想像していたのは、あくまでも我々が計算を行い、ブライトイノベーションさんが確認するような役割分担でした。しかし実際は、我々が提供したデータを基に、かなり緻密に計算までしてもらえて、非常にありがたい限りです。
また、データに不明な点や辻褄が合わないことが見つかった場合、問題がないかと確認の質問もいただいたこともあります。我々の事業に対して解像度高く、データを見てもらえている安心感がありましたね。

東京製鐵様の今後の取り組み目標
我々は0.4t-CO2/t鉄という通常電炉鋼材と0.1t-CO2/t鉄という「ほぼゼロ」製品の二刀流でお客様に提案できるようにしています。この両方のEPDがあるというのは、営業戦略上非常に重要ですので、他の鋼材でもEPDの取得を検討したいと考えています。
お客様の視点からするとスコープ3のカテゴリー1を減らす取り組みの中で、電炉材は既に0.4t-CO2/tとなりかなり排出量削減につながっていると思います。しかしさらに排出量の少ない当社製品の「ほぼゼロ」という0.1t-CO2/tを求めるお客様は、国内外に沢山いらっしゃいます。そのお客様に対して、EPDという方法で、サステナビリティ情報をご提示できるというのは非常に大きな武器になっています。
「ほぼゼロ」はカーボンフットプリントを用いてCO2のみ算定をしていますが、海外の場合、CO2だけでなく様々なパラメーターが必要というお客様もいらっしゃいます。そういった方々のニーズにお応えするためには、カーボンフットプリントだけではなく、EPDという形での認証が絶対的に必要になってくると思います。
