コンサルティングサービスを受けるまでの経緯
支援前に抱えていた課題
ブライトイノベーションさんの支援を受ける前は、当社および大和ハウスリート投資法人でのサステナビリティの取り組みが十分とは言えず、同業他社や他のリートと比べて遅れている印象がありました。当時は「何をすべきか」が分からず、取り組みが進んでいたスポンサーの大和ハウス工業とも連携できない状況が長く続いていました。
当社を知ったきっかけ
意思決定に迷いが生じていた際、大和ハウス工業よりブライトイノベーションさんの紹介を受けました。2020年当時、J-REITのサステナビリティ活動の評価指標として広く認知されていたGRESB評価は3スターであり、その向上が主要課題となっていました。
その後、CDPから情報開示要請があり、内容把握のため大和ハウス工業サステナビリティ部門へ問い合わせを行いました。同部門担当者より「CDPへの対応は設問数が多く、単独での完結は困難なためコンサルティング会社を活用している」と説明を受け、ブライトイノベーションさんとの連携を開始しました。
支援先を決定した理由
2021年当時、他リートではTCFD開示が進んでいる中、私どもはまだ開示をしていませんでした。既にCDPのコンサルティングを受けていたブライトイノベーションさんは、我々のサステナビリティの取り組みや課題を良く把握されているコンサルティング会社でもありましたので、同社よりTCFDの開示のサポートを受けるのが一番いいと考えて支援をお願いしました。

コンサルティングサービスを受けた感想
当社が支援した内容
TCFD開示の枠組み「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」に沿った開示支援をいただきました。中心となるシナリオ分析では、将来の温度上昇シナリオ別に、事業への影響額を算出しました。他リートは影響度についても”大・中・小”のような定性的な開示にとどまっており、私どもは金額による定量的開示に拘りました。
ブライトイノベーションさんの知見を活用し、ご提示いただいたグローバルの様々なパラメーターから影響額を算定し、打ち合わせを重ねて定量的開示を実現しました。コンサルティングを通じてSBT認定も取得し、J-REITで初の中小企業版SBT認定となりました。他リートに比べるとTCFD開示の取り組みは一周遅れでしたが、最終的には進んだ内容の開示となったと考えています。
大和ハウス・アセットマネジメント様社内外の変化
投資家の皆様が投資判断を行う際の参考情報として活用いただくことを目的に、リスクとなる金額を含めた定量的な分析結果の開示を検討しました。
社内では、ネガティブな意見は特にありませんでしたが、数十億規模の数字の正確性についての懸念はもちろんありました。しかしながら、「一定の考え方や指標に基づき算出した結果である」旨を明確にすることで、その開示は十分な意義があると説明し、了解が得られました。実際に、2022年の3月に開示した後、同年4月の決算説明・IR活動時には、投資家から計算根拠や前提条件関する問い合わせが寄せられ、高い関心も確認されました。
さらに、TCFDの開示を踏まえ、2050年までのGHG排出削減ロードマップの策定にも着手し、自社の気候変動対策に関する取り組みが整理できたとも感じています。
はい、TCFD開示に合わせてScope 1~3の排出削減ロードマップも作成しており、それに基づいて進捗管理をしています。Scope 3の排出量が多いので、テナントが排出するCO2の削減が、大きな課題になっています。
カテゴリー13のテナントの使用だけではなく、分析を深めるほど見えてきた排出も明らかになりました。これにより排出量が増えている部分もありますが、今後削減に努めていきたいです。
当社の支援対応
CDP(気候変動)の回答支援で我々のことをよく知ってくださっているブライトイノベーションさんですので、TCFDの開示の助言についても非常にスムーズに進みました。TCFDの前から合わせてCDPのサポート実績も現時点で6年ありますので、その評価も併せて、支援の内容についても大変満足しています。
TCFD開示前は戦略やリスクと機会の整理ができていませんでしたが、開示を通じて戦略や、指標・目標が明確になり、やるべきことがわかってきた点が一番大きいと思います。またそれを社内外にも発信できました。TCFDやTNFDの4つの開示基準は他の事業にも応用可能な有効な方法だと感じています。
CDPについては、回答テクニックではなく、質問の意図や根本的な考え方をコンサルティングしていただけるのは非常にありがたいです。回答作成はせずアドバイスのみという姿勢が正しいコンサルティングだと考えており、自分たちが主体的に行動できるよう促されています。

大和ハウス・アセットマネジメント様の今後の取り組み目標
J-RIETを取り巻く環境は変化しており、財務指標に基づく投資が再び重視されています。一方でリート業界はサステナビリティへの先進的な取り組みによりも高い評価を得ており、投資家もその前提に見ています。
社内では、サステナビリティ推進グループが活動を主導し浸透していますが、部署任せの部分もあり、今後さらに啓発も含めて浸透させていく必要があると考えています。
TCFDの初回開示から約4年が経過し、新しい事業戦略や気候変動のパラメーターも変化しています。そのため、ブライトイノベーションさんの支援を受けてシナリオ分析を更新し、再度開示できればと考えています。我々や社会がどのように変化してきたかを改めて確認し、必要に応じてロードマップを見直し、修正していきたいと考えています。
